7月、8月と川口サンボの練習は試合向けの内容にその比重を置いて練習していました。
試合とはすなわち今月18日に開催された全日本選手権です。
結果は既に報じられている通りですね。 思う存分 力は出せたでしょうか。
各道場、個人の皆様に置かれましては毎度試合に向けた準備の内容が個々に異なる事でしょう。
それは体重であったり、精神面であったり、技術面であったり、普段は別の競技を主に練習して
いてサンボを練習していない方々はルールの確認であったり。
それら全てと言う方も中にはいらっしゃるかも知れませんね。
体重や体調を計量日や試合当日に照準を当て、サンボの勝負に直結した戦い方、技術面を磨く。
「ゲームのルールを知ることが大事だ。そしてルールを学んだあとは
誰よりも上手にプレイするだけだ。」
A・アインシュタイン氏の言葉です。 どのように受け止め、解釈されるかは皆さん次第。
そして精神面。 試合、本番においてその人の力がどれ程発揮できるか否か この精神面が
大きく関わってくるといっても差し支えないでしょう。
何を以て本番に向かう選手の心を調えるのか。
ただひたすら心を研ぎ澄ますと言う方もいれば なんにもしません、普段どおりです という方が
良い、集中できる、と言う方もいらっしゃるかも知れません。
これまで積み上げてきた稽古を思い出し、必ずやれると考え臨むのか、あるいは過去の成功
体験を思い出して重複させるのか、 または なにも無くてもやぶれかぶれ精神か。
ケーススタディで練習してきた万端の準備か。
その場の自分の直感で闘ういわば出たとこ勝負か。 試合という状況を何か別の状況に置き換え
て己を奮い立たせる置換方式か。 火事場の馬鹿力とは昔からある言葉ですが、あながち軽視で
きません。 人間に内在する力の限界は今だ秘めたるものがあるようです。
本番に強いなんていう方にはその扉を開く才能?があるのかもしれません。
いずれにせよ精神面とひとことで言ってもその拠り所となる何か があったりする事が
多いようです。 そしてどの方法が万人にとって効果的である という答えも残念ながら判りません
私には。出場される皆さんが最大限自己の力を発揮される状態を目指して準備し、戦って頂けれ
ばその過程にあるのがその方の答えとも言えるかも知れません。
目に見えない分野だけにどこまでも深く 広そうです。
ちなみに私の師が試合に臨むとき以下のような事を考えていたと仰っていました。
参考までに幾つか紹介させて頂きます。
「会場のどこか一か所目印を決めて 試合中 自分の立ってるところが判らなくなったらそこを見る
ようにしてた。」 *何でもよいそうです、目印は。 戦っていて転がったりして自分の場所が一時判
らなくなったらそこを見て確認し、落ち着いていたそうです。
「俺には〇〇人の応援団が付いている」 *詳しくは私までお尋ね下さいませ。
「白いサンボジャケットは死に装束だと思って闘ってたよ」 *当時は白も許可されていました。
「カザコフは背負い投げでくるから俺はこれしかないと思ってやったんだよ。」
*膝つきの背負い投げに対し一旦こらえてから関節技に移行する技術。 戦う前に既に確固たる
イメージを作っていたケースでしょう。
「あんまり相手の顔は見ないようにしてた。 顔見ると 人間てひどいこと出来なくなっちゃうんだよ
ね。」
*どれだけひどい事しようとしてたのでしょう(笑)。
「こうやって顔を(手で)こすったり横向かせたりした。」
*得意だったようです。その刹那に技を仕掛けたりしたそうです。反則・・・かどうかは判りません。
精神面と言うより技術と繋がった部分ですね。
このように試合に臨むにあたり ひとは様々な思いを心、頭に描く訳です。
心技体とはよく言われますが 個人的には そのどれもが 一体不可分で どれ一つが欠けても
その世界を表現し切れないのではないかと 考えています 最近(遅!)。
上に紹介させて頂いたように体力を向上させ、技術を磨き、いざ本番となったとき それら全てを
出し切る心境をつくり出す最後の鍵は「心」にあるのかも知れません。
サンボだけの競技環境ではそれほど目にする機会がないかと思いますが、表だって掲げていない
だけで個々の皆さんの中にはその心構えや姿勢となって表れていることもあるかと思います。
この「心」という形の無い(言い換えれば形になる前の目に見えない状態)もの、今後も少々追って
考えてみたいと思っております。
~続く・・・と思います~
猛暑のなか練習に参加して下さっていた皆さん 本当にお疲れ様でした。
細木君、栗原君、藤田君、斎藤選手、一二三選手、鈴木岳男選手、犬飼選手、山田選手
小倉選手、栗原お父さん、丸島選手、井口選手、田中さん、森田さん、上原選手、松嶋会長
また一緒に練習しましょう。