サイトマップ

2012年10月20日土曜日

10月15日練習

 サンボのイメージ。

ひとによって多様ですね。

例えば「サンボってどんなスポーツなんですか?」と訊かれるとき その答えに出てくるセリフがその方

の その時のサンボに持つイメージに近いと言えるかもしれません。

「ジャケットを纏ったレスリング」、「柔道に近い感じ」など。 これらはよく耳にしますね。

「力比べの相撲みたいだ」なんて言う言葉も聞いたことがあります。

「関節技の攻防が多い競技」 これも耳にします。

プレイヤーではないが好意的に見て下さる方からは「科学的に造られている格闘技なんですよね」なん

ていうお言葉も聞いた事があります。

これら上記の説明を聞き サンボを見たことが無い方がサンボという競技を想像すると・・・

「あれ?レスリングとか相撲って裸だよね? でも柔道って柔道着着るでしょ?で、科学的??」

「でも、やってる本人達が言うのだからそうなんだろう。」 なんてハナシになると思われます。

レスリングみたいで、柔道にも近くて でも相撲のようでもある が しかし関節技の攻防がある。 

サンボに携わる方々や経験者なら,  どの言葉をとっても「なるほどね」と判る説明だと思いますが

サンボに接した事のないひとにとっては「?」が浮かんでくる説明かも知れません。

しかしどの説明も間違っていません(科学的なのかどうかはその道の専門家ではないので私には判断しかねますが)。

結果、「要するに取っ組み合いで 関節技もありなんでしょ?」 行きつくところはこのあたりじゃないで

しょうか。 でも、その通りですよね。

その人のサンボに対し持つイメージによって出てくる言葉がこのように違う。サンボの多様性そのもの

を表しているようです。

「多様性」。 なんとなく「耳に心地よい」感じです。

サンボは「多様性のある取っ組み合い」とでも表現できるでしょうか。

しかしながら この「耳に心地よい」性格を持つサンボという競技は 学ぶ者にとっては もしかしたら 

「学びにくい」でしょうか。もしそうなら競技に携わる者としては「耳が痛い」:D 言葉ですが あえて直

視してみます。 

例えば練習中に日本人コーチが選手に指導するとします。

ある時は 姿勢が悪い、背すじを伸ばせ と言われる。 背すじを伸ばして立つと今度は 姿勢が高い 

と言われる。 で、その通り重心を沈めて構えると 腰を引くな と言われる。

これでは言われる側は混乱しますよね。「じゃあ どうすればよいの?」と。 特に初心者は。

でも確かにコーチが言う事もなんとなくわかる。

背すじを伸ばして掛けた方が よく成功する技がある。 なので「相手はともかく」自分は姿勢に気を

付けていたらタックルされて簡単にひっくり返された。だから今度は腰を低くして構えてみよう。。。と

思っていたら今度は投げ技で軽々と跳ね上げられた。

こんな調子では指導する側と される側に どこかすっきりしない曇り空のような気分が立ちこめます

ね。

日本で習える武道には 初心者に判り易いように 姿勢や立ち方、歩幅、道具や道着の扱い方(掴

み方)が示されています。場合によっては稽古をする環境をも考慮に入れ、「畳〇〇分」や、「畳の目

に沿って」などと目安があります。 皆ある程度同じ事を学びます。 

こういった ある意味学び易い競技を経てからサンボの世界に入るとその学ぶ体系や違いに困惑

するかもしれません。

この「違い」はサンボの多様性を既に示しているのではないでしょうか。

多様性のある 即ち 多種の理論を内包するとも言えるサンボは「ひとつ」ではないから 「学びにく

さ」があるのではないでしょうか。 もしそうなら皆が、同じ過程を経て育っていないかも知れません。

相手が上から来るのか 突如下から攻めてくるのか 飛んでくるのか それとも割と普通に?オーソ

ドックスに組んでくるのか。相手が何者か判らないのがサンボ。 

指導する側はまさに多角的な視野で指導し得る力量を持ち合わせているべきでしょう。

上記のコーチと選手のやりとりではありませんが 姿勢やその攻防、即ち 対応の仕方は相手によっ

て、そして自己の持つ技術によって 相対的に変わるでしょう。 

一元的に片方の選手だけを見て「姿勢が高いから」 「腰を引いているから」等で「良し悪し」は判断

出来ません。 

私本人も 「こうするのがサンボ」といった固定の概念に縛られずに また、他者も縛らずに その技

術に根付く原理・理論をこそ学んでゆきたいと考えます。 また そうあるべきではないかと思うので

す。今サンボに接している方々も 最近サンボを始めた方も 様々な選手のサンボを見たり、肌を接

して体験すれば さらに自己のサンビストとしての対応力も間違いなく向上するでしょう。 

もし百人サンビストがいれば百通りのサンボがあり得ます。

様々な相手に対応出来得るサンビストになる為に サンボの持つ多様性を理解し、できれば指導者

側もそれを理解し お互いの間に「曇り空」の無い信頼関係を築いて頂きたいと考えています。 

今回の練習では 十字固めの防御を研究してみました。よくみる防御をする選手もいますが、面白い

防御法を見せてくれたベテラン選手もいました(失礼ですが本当に笑ってしまいます:D)。 

固まった防御イメージを壊すのには良い発想かもしれません。

広く世に知られた技術ですが まだまだその技術の展開は研究、開発の余地がありそうな気がしま

す。 

次回は何を見せてくれるでしょうか。 楽しみにしています。

今回参加された 本川選手 若林選手 丸島選手 上原選手 森田さん 松嶋会長 大変お疲れ様で

した。 また一緒に練習しましょう。