夏らしい暑さが続いています。
御自身の体調管理、皆様は気を付けていらっしゃいますか?
これだけ暑いと何もしなくても汗が流れ落ちていきます。
20日の練習はそんな残暑の中でもさらに熱い心を持つ人たちが練習に集い行なわれました。
内容は各自ウォーミングアップから始まり、投げ込み練習の組と タックルを反復練習する組とに分かれてスタート。
投げ込みの組で私は練習していたのですが「あるひとつの組み手」からの投げをお互いに研究
練習しました。
その数、計5種類。 パートナーをして下さった岡選手はどれも貪欲に そして真摯に稽古されていました。
「ひとつの組み手」からの技が複数、別方向に仕掛けられれば 相手は怖いでしょうね。
それが組み合わさればさらにバリエーションと効果は倍増します。
ちなみにあとで数えてみたら「あるひとつの組み手からの技」、単独で12種類はあるようです。
皆さんの研究や創造でさらに増えていくでしょう。
次いで寝技の反復練習。
相手の背後をコントロールした状態から、腕、脚を狙った関節技術の練習。
様々なバリエーションを繰り返し確認しながら体得を目指します。
サンボの特徴に「寝技、関節技の多彩さ」があるのは皆さんご存じの事と思います。
そこに魅力を感じ、サンボに取り組まれている方も多いのではないでしょうか。
世界中で 本や雑誌や動画は今「お祭り状態」ですからそこでも様々な技術が紹介されていますね。
どれも体得出来たら素晴らしいです。
しかし実際スパーリングや試合で渾身の力で耐える相手に関節技を極めるのは容易ではありません。
しかも投げて 「から」 極めるのは何故かとってもシンドイ。
(投げ終わった刹那は相手がもっとも無防備な状態です。そこを逃さず関節を極めるまでの動きを間断なく遂行できれば逆にそれは体力面では最も「経済的」と言えるでしょう。)
有酸素運動であばれた後、突然のように寝技のような無酸素運動に切り替わるのですからね。
しかも相手は必死に耐えるから自分も力が入る。
踏ん張る人間を投げるのだって一苦労だったのに今度は 引っ込めた亀の手足をこじ開けるのです。「時間内に」。
心臓が苦しい事 請け合いです。
「参った!」を見事取れればそこでおしまい。晴れて勝利ですが、もたもたしていると審判が容赦なく笛を吹きます。
「はい、立って~」と。
投げでの一本(「チースタ」。国際的にはこう呼びます。)を決めない限りこのような流れがその後何度か続くことも多いでしょう。
投げの一本といってもサンボはその基準が厳しいですから、例えば4点でジャッジされたらまだ試合は終わらないのです。
こういった試合で体力を根こそぎ奪われてしまうケース、皆さんは経験あるでしょうか。
それでもなんとかその試合をモノにしたとしてもこれがトーナメントだったら次があるかもしれないのです。
本来次の試合の相手に勝つ実力を持ち合わせていても前の試合で体力を消費しすぎてしまったら、残念な結果を突き付けられることだって充分有り得ます。
そんな臍を噛む、悔しい思いはしたくありませんね。
負けない為、いくつ試合が組まれていても勝つ為、何点差を付けられても最後は勝つ為、試合会場が酷暑でも勝つ為。。。
相手が「参った」をすれば勝負は誰の目に委ねる事無くそこで決まりです。
その技は4点か?2点か?という判断も不要です。
また皆さんで研究、練習して参りましょう。
岡選手、本川選手 鈴木康裕選手 鈴木岳男選手、上原さん、松嶋会長、森田さん
大変お疲れ様でした。
今回は 下記文章を紹介させて頂き締めさせて頂きます。偉大な功績を残された方の書籍の言葉です。
【連続技について】
「技が単独であると、「一本」に極まれば良いが、「四ポイント」「二ポイント」「一ポイント」の場合、ま
た苦労する。 そこで、ある技に必ず関節をプラスして行く連続を持っていると大変楽です。
私の研究した投げは、殆どの場合年令的な条件(40才を超え)肉体的限界の故か、連続して関節技に結び付けています。
若い頃とちがってスタミナ、エネルギーが不足気味なので、判定とか、力比べとかが出来ないからです。
しかし、私は、技術の応用を覚えれば、わりと高年齢にもサンボは出来るものだと思っています。
・・・中略・・・
とにかく、どの投げからも、どの動きからも手の届く範囲に関節部分があれば、すべて1本に結びつく。次の動き、次の動きを頭に、身体に覚えさせること。そこに勝利が待っているのです。」
【関節技について】
「私の場合、連続技はすべて関節に向かっています。
或る技の終点は、どこかの関節だと思っています。
それがどこか?・・・・。その場その場で変わって来ます。「終点が関節」ということだけがはっきり
していれば、相手を投げた時でも必らず関節技まで連続するものです。」
(昭和52年発行 「サンボ入門」より。古賀正一著)
Kawaguchi Wrestling Federation 埼玉県川口市西スポーツセンターでレスリングとサンボ(ジャケット・レスリング)の練習を行っています。初心者・出稽古歓迎!★11月24日(日)強化練習会 ★次回定期練習は12月9日(月)19時~。11/25 , 12/2はお休みです。★直前の変更の可能性がございます。参加ご希望の方は恐れ入りますが当公式ブログにて直前の情報をご確認くださいませ。お問い合わせ:kawaguchiwrestling@gmail.com
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2012年8月7日火曜日
2012年8月6日の練習について
昨夜のサンボ練習会では主に立ち技の反復練習を行ないました。
「反復して技術を覚える、体得する」のはサンボに限らずあらゆる物事の基本でしょう。
「量質転化」という言葉があります。
一定の量をこなすことでその質的な変化をもたらす、という意味なんですね。
例えば自転車。
多くの子供が興味や好奇心を抱く乗り物です。
幼いころに乗った自転車も何度も何度も転んですり傷を作ってはまた乗って。
でもある日急に、転ばずに乗れる日がくる。
「あ、乗れた!?」と。
自転車に乗れた喜びが全身を駆け巡る瞬間です。 「コツ」を掴んだ瞬間でしょう。
それまでは 何度も転んで 痛い思いをして、「もう自転車なんかのらない!」などと
くじけてしまいそうになる気持ちをぐっとこらえて練習するんです。
自転車を買ってくれたお父さん お母さんも実は同じ痛みや心の葛藤を経験してきているから自分
の子供が同じように乗り越えて自転車に乗れて喜んでいる顔を見るのはさぞ嬉しい事でしょう。
喜びの共有ですね。
そしてその子供が親になったときに今度は自分の子供に自転車を買ってやり、一緒に公園に行
き、後ろから支えて(時々 手を離しているのに「持ってるから大丈夫、前を見て!」とウソをつき:D)、練習をするのでしょう。
そうやって自転車に乗る「コツ」を伝えていくのですね。
親が苦心惨憺 経験しているから「コツ」を伝えられるとも言えます。
技術を伝えるということはたくさんの量から質へ転化する時の「コツ」を伝えることとも言えないでしょうか。
そしてその「コツ」を伝えるには伝える側自身に、「量質転化」をした経験があれば尚良いと思うのです。
目指す目標が、両者間で明確にイメージ出来ると思うからです。
ではここで日本のサンボを見渡した時、どうでしょうか。
格闘技は説得力の世界です。自分が叩きのめされて初めてその技に好奇心が湧くといってもよいでしょう。 練習への動機、モチベーションが一気に強くなるのではありませんか?
抵抗したのに軽々と投げ飛ばされた、暴れたのに簡単に極められた、パンチや蹴りが見えなかった・・・。
そんな経験はお持ちではないでしょうか。
「その技は一体どうやったら身に付くのだろうか???」
生徒や練習生の こういった好奇心を先輩方や指導する側の方は呼び起こせているでしょうか。
練習生や 生徒さんに 質問されているでしょうか。
ちゃんと教え子さんたちを投げ飛ばしてあげているでしょうか。
その技、苦心してご本人は稽古はされましたか? 身に付いた技ですか? 御自身が本当に出来る技ですか?
ボクシングなら入門者を「実戦で」叩きのめしてあげるのが愛情でしょう。
レスリングならタックルの威力を身を以て「実戦で」感じさせてあげるのが愛情でしょう。
サンボならコーチの皆様が伝えたいサンボで投げ飛ばし、極めてあげる事が「サンボを習いたい」と言ってはるばるやってくる人たちへの愛情であり、礼儀でしょう 「実戦」で。
(様々な事情によりそれが叶わない、力を持った指導者や先輩の方々がいらっしゃる事も事実ですが)
とりもなおさずそれは「感動」と同時に「好奇心」を呼び覚ます、大事な作業でもあると思うのです。
好奇心さえ生まれれば選手達はどこでも練習を始めます。自転車と同じです。
止まっている相手に「体落としはこうだ、背負い投げはこうだ」と柔道のコーチが言っても、また護身術の大家が「胸ぐらをつかんできたらこうすれば一捻りさ!」と自慢げに講釈しても 聞き手や選手の心には深く届かないでしょう。つまりは「納得」に繋がらない。サンボしかり。
格闘技の世界ほど眉唾モノが跋扈する世界は無い と言われます。
私はサンボにはそんな世界になってほしくありません。
子供の好奇心、親の愛情 共に練習、そして達成 喜びの共有。そしてまた次世代へ。
自転車であろうと、サンボであろうと「伝える」事の本質は変わらないのではないでしょうか。
確かな時間を重ねて 先人の方々が私らに伝えてくれたサンボを次世代へ伝えてゆく。
特別な作業は要りません。競技に対する個々の誠実な姿勢、それだけです。
サンボをやっていて喜びを感じる瞬間てなんでしょう。
技が思った通りに掛かったとき。試合に勝ったとき。上達が感じられたとき・・・。
ひとにより様々でしょう。
どんな形の喜びでも誰もがそれを感じられたならサンボに携わる者としては嬉しく思います、共有できて。
そして喜びを共有できるひとが一人でも増えたとき今サンボに携わって頑張っている皆様の汗が報われたと言えるのでしょう。
昨日も暑い中御参加くださった皆様 ありがとうございました。
また一緒に練習しましょう。
なお、8月13日(月)は、お盆のため練習はございません。
次回の練習は、8月20日(月)となります。
「反復して技術を覚える、体得する」のはサンボに限らずあらゆる物事の基本でしょう。
「量質転化」という言葉があります。
一定の量をこなすことでその質的な変化をもたらす、という意味なんですね。
例えば自転車。
多くの子供が興味や好奇心を抱く乗り物です。
幼いころに乗った自転車も何度も何度も転んですり傷を作ってはまた乗って。
でもある日急に、転ばずに乗れる日がくる。
「あ、乗れた!?」と。
自転車に乗れた喜びが全身を駆け巡る瞬間です。 「コツ」を掴んだ瞬間でしょう。
それまでは 何度も転んで 痛い思いをして、「もう自転車なんかのらない!」などと
くじけてしまいそうになる気持ちをぐっとこらえて練習するんです。
自転車を買ってくれたお父さん お母さんも実は同じ痛みや心の葛藤を経験してきているから自分
の子供が同じように乗り越えて自転車に乗れて喜んでいる顔を見るのはさぞ嬉しい事でしょう。
喜びの共有ですね。
そしてその子供が親になったときに今度は自分の子供に自転車を買ってやり、一緒に公園に行
き、後ろから支えて(時々 手を離しているのに「持ってるから大丈夫、前を見て!」とウソをつき:D)、練習をするのでしょう。
そうやって自転車に乗る「コツ」を伝えていくのですね。
親が苦心惨憺 経験しているから「コツ」を伝えられるとも言えます。
技術を伝えるということはたくさんの量から質へ転化する時の「コツ」を伝えることとも言えないでしょうか。
そしてその「コツ」を伝えるには伝える側自身に、「量質転化」をした経験があれば尚良いと思うのです。
目指す目標が、両者間で明確にイメージ出来ると思うからです。
ではここで日本のサンボを見渡した時、どうでしょうか。
格闘技は説得力の世界です。自分が叩きのめされて初めてその技に好奇心が湧くといってもよいでしょう。 練習への動機、モチベーションが一気に強くなるのではありませんか?
抵抗したのに軽々と投げ飛ばされた、暴れたのに簡単に極められた、パンチや蹴りが見えなかった・・・。
そんな経験はお持ちではないでしょうか。
「その技は一体どうやったら身に付くのだろうか???」
生徒や練習生の こういった好奇心を先輩方や指導する側の方は呼び起こせているでしょうか。
練習生や 生徒さんに 質問されているでしょうか。
ちゃんと教え子さんたちを投げ飛ばしてあげているでしょうか。
その技、苦心してご本人は稽古はされましたか? 身に付いた技ですか? 御自身が本当に出来る技ですか?
ボクシングなら入門者を「実戦で」叩きのめしてあげるのが愛情でしょう。
レスリングならタックルの威力を身を以て「実戦で」感じさせてあげるのが愛情でしょう。
サンボならコーチの皆様が伝えたいサンボで投げ飛ばし、極めてあげる事が「サンボを習いたい」と言ってはるばるやってくる人たちへの愛情であり、礼儀でしょう 「実戦」で。
(様々な事情によりそれが叶わない、力を持った指導者や先輩の方々がいらっしゃる事も事実ですが)
とりもなおさずそれは「感動」と同時に「好奇心」を呼び覚ます、大事な作業でもあると思うのです。
好奇心さえ生まれれば選手達はどこでも練習を始めます。自転車と同じです。
止まっている相手に「体落としはこうだ、背負い投げはこうだ」と柔道のコーチが言っても、また護身術の大家が「胸ぐらをつかんできたらこうすれば一捻りさ!」と自慢げに講釈しても 聞き手や選手の心には深く届かないでしょう。つまりは「納得」に繋がらない。サンボしかり。
格闘技の世界ほど眉唾モノが跋扈する世界は無い と言われます。
私はサンボにはそんな世界になってほしくありません。
子供の好奇心、親の愛情 共に練習、そして達成 喜びの共有。そしてまた次世代へ。
自転車であろうと、サンボであろうと「伝える」事の本質は変わらないのではないでしょうか。
確かな時間を重ねて 先人の方々が私らに伝えてくれたサンボを次世代へ伝えてゆく。
特別な作業は要りません。競技に対する個々の誠実な姿勢、それだけです。
サンボをやっていて喜びを感じる瞬間てなんでしょう。
技が思った通りに掛かったとき。試合に勝ったとき。上達が感じられたとき・・・。
ひとにより様々でしょう。
どんな形の喜びでも誰もがそれを感じられたならサンボに携わる者としては嬉しく思います、共有できて。
そして喜びを共有できるひとが一人でも増えたとき今サンボに携わって頑張っている皆様の汗が報われたと言えるのでしょう。
昨日も暑い中御参加くださった皆様 ありがとうございました。
また一緒に練習しましょう。
なお、8月13日(月)は、お盆のため練習はございません。
次回の練習は、8月20日(月)となります。